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zoom RSS 藤原新也『書行無常』

<<   作成日時 : 2013/03/09 00:24   >>

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敢えて、賛辞を込めて「曲者の写真家」と呼ばせていただきます。
藤原新也の写真集『書行無常』。

藤原新也氏は、文章でも主張できる写真家です。
社会に対するメッセージも強く持っている人です。

「書行」とは「書く行為」という意味の造語だそうです。
「無常」とは「人の命がそうであるように、変転と消えてはまた立ち上がる常なきこと≠ナある」・・・と前書きで仰ってます。

この前の『死ぬな生きろ』の中で、その「書」を写し込む形式は見られ、ここにその写真の形が「結実した」ということでしょうか?

週刊プレイボーイに連載されていたものだったようです。

週刊という即時性を生かして、ニュースの現場に行く、ということをやっています。
現場に行って、思いついた「書」を書いて、それを入れた写真を撮る・・・

本の「腰巻き」には・・・

「書×写真×言葉」
「宮崎口蹄疫、AKB48劇場、上海万博、印度ガンジス、そして東日本大震災。2010〜2011年。“現場”を旅した軌跡」・・・とあります。

そこには、紛う事なき藤原新也の写真があります。

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かつて、学生の時「亡骸が犬に食べられている写真」に衝撃を受けました。
しかし、文章にはあまり強い印象はありませんでした。

それは、私が「読めなかった」んだと思います。

今でもそうですが、氏の写真を含めた表現には、とても「我が強い」という印象があります。
それに押される感じがします。
作家たるもの、我が強いくらいでよいのですが・・・

写真だけでなく、文章でも語り、それでも飽き足らず「書」も書き、書いている自分も出る!

「結果」は、だいぶ違いますが、よく考えると、アラーキーこと荒木経惟氏の写真のスタイルと似ているといえるのかな?・・・と思いました。

そういえば、荒木氏も「書」を写し込んでいました。
マジックのような物や、リキテックスのような物で写真の上に書き込んだりしています。
その描き方も文字も、独特のものです。
アラーキーだから許される、という感じでしょうか?

どうようの感じが、この藤原新也氏の写真集からも感じられます。

その「我」の出方、出し方、という点でも似ていて・・・書や、自分も出るという点も同じです。
そこまで、写真に上乗せしてくるという、その思い入れの強さ。我の強さ。

物を写すことで表現しようとするのが写真。
そこに写真の特質を生かして表現する技術というものがあります。
写真とは、概ね、一瞬で現実を切り取るというもので、そこに、撮る技術、というものが込められます。
多くは、現実を写しとる、というものですが、芸術的表現というものもあり、写真に現実を写し込むだけのものではない「表現」というものが加わることも多くあります。

藤原新也氏の写真は、広告写真の方法論には良くあることのようにも思います。

実は私も、高校時代に、広告写真に憧れて、そんな作品も作っていました。
ただ撮るだけの写真ではないものを作ろうとしていた時期がありました。

この『書行無常』にある、事件やニュースの現場に行って、文字を書いている藤原新也氏と、その文字と、文字が入り込むことで、ただの風景ではないものを表現しようとした写真との・・・これは相乗効果・・・なんだろうか?・・・という思いがあって、実は、私は、この写真集に結論を出せません。

しかしながら、氏のこの写真集や、最近の写真「GoodsPress」の連載などを見るとき、その技術にかなり憧れています。
私が撮りたい写真がそこにある、という感じなのです。

この『書行無常』の最後は、震災で幕を閉じます。

この写真は・・・やっぱり藤原新也だなぁ・・・という感じのものでした。



「デジカメWatch」に藤原新也さんに関する記事がありました。
ちょうどこの『書行無常』に関する記事です。

Photographer's File #8:藤原新也
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/culture/photographer/20111111_490259.html





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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
クリエイティブな人は、我が強くないと、良いものが出来ませんね(^_^;)
我の強い人は、好き嫌いが分かれますが、それ位が良いんです。
日本人は、個性個性と言っているものの、ちっとも個性的じゃない。押し並べて一緒なのです。
本当に個性的な人間は、ハッキリ言って、万民に好かれようなんて露にも思わないのです。
当然、そういう人は、海外に出てってしまいます。海外の方が活躍の機会があるからです。
日本は『出る杭は打たれる』なので、活躍の機会が殆ど無いに等しいのです。
茉莉花
2013/03/09 11:30

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