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zoom RSS 「いつでも、どこでも、誰でも撮影→ネットで公開」・・の落とし穴

<<   作成日時 : 2013/03/16 00:00   >>

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「とくダネ」で、「ケータイで撮影≠ナ死亡事件」という特集をやっていました。

10日午前4時半ごろ、横浜市港南区の路上で、男性2人が軽乗用車の運転手と交通トラブルで口論をしていたところ、通行人の男が携帯電話でその様子を撮影しました。それに気づいた男性2人が注意したところ、逆上した男が男性2人を次々と殴ったうえ、現金約1000円が入った財布を奪って逃げました。2人のうち、顔や腹などを殴られた前田勝成さん(25)が病院に搬送されましたが死亡しました。もう1人の男性は軽傷です。逃げた男は年齢30歳くらい、身長175センチほどの中肉で黒い上着を着ていたということです。警察は、傷害致死事件として男の行方を追っています。

・・・・というニュースから「とくダネ」では、ケータイ&スマホで、気軽に無断で他人の写真を撮る行為について言及していました。

・・・・・

画像
震災の時もそうでした。

多くの方のビデオやケータイ&スマホで撮られた「現場」で撮られた動画や写真が、その生々しさを伝え、なおかつ貴重な記録にもなっていました。
テレビでは、ケータイ・スマホで撮られたおもしろ映像とか、例えばドライブレコーダーで撮られた間一髪の命拾い映像とかで番組が作られています。

わざわざビデオカメラやデジタルカメラを持たなくても、ケータイやスマホがあれば、写真もビデオも簡単に撮ることができます。

この「手軽さ」と「ネット」というものが合わさって、個人が撮る「写真やビデオ」というものの位置づけを変えてしまいました。

みんなが持っているケータイ&スマホによって「誰でも撮れる」というこの恐るべきキーワードです。
そして「誰でも発信できる」というキーワードが加わります。
ネットの動画サイトに投稿した画像に、沢山の人がアクセスし、一瞬にして有名になった、ということがよくあります。

この「世界中の多くの人に見てもらえている」ということがこの上ない喜びであり、優越感といったものになるのだと思います。

そして、そういう動画を見ている人も「いつか自分も世界中から注目されるような動画を撮ってみたい」と強く思うようになるでしょう。

かつて、イジメの現場を撮った動画を動画サイトに投稿した、というようなことがありました。
これなど、決定的な証拠を世界中に広めているようなもので、全く以て愚かな行為だと思うのですが・・・
当人にとってはそれよりも公開したい、という顕示欲のほうが強くなってしまったのでしょう。
ネットの匿名性への勘違いと「注目されたい。注目されるようなネタを流したい。自慢したい」という捻れた欲求のなせる技だったのでしょう。

イジメをするという、一方的な強い自意識と、ネットを通しての自己顕示欲は容易に結びついたということのように思います。

ネットで公開、ということが自己顕示欲をより強くするアイテムということになって、全く狂った行為ともいえることまでさせてしまうのです。

例えば、震災の時のある方の行動は正にそれだった、というのをテレビで見ました。

その人は、避難した学校において、津波が押し寄せて来たときに、津波が来る方向である校門に向かって行き、波が来る様子をビデオで撮っていたのです。

幸い、高い木の上に逃げて助かったのですが、震災のような希有な状況に置かれたときに、人間はそれをより見たい、という欲求も生じるんだそうです。
そういう意識が元々あるらしいところに、ビデオや写真を手軽に撮れる物があれば、それを撮りたいという欲求が生まれます。

かつて、阪神淡路大震災が起こった翌日、ある写真好きな人が「撮りに行きたいよねぇ」と言っていましたが、正直、私も行きたいと思いました。
やがて、その惨状を知り、それどころではない、と思う訳ですが、今回の東日本大震災においても、正直なところやはり「写真を撮りたい」という思いが起こってきます。

災害は、一方では「二度と無い、素晴らしいモチーフ」であるわけです。

これも、思いとどまる訳ですが・・・

震災の時、一般の方が撮られた多くの映像は、この一大事を撮っておきたい、という意識によって撮られたものだと思うのです。
「撮る」という行為によって自分が置かれている大変な状況をも客観視できる、という面もあるのかもしれません。
大変な状況に自分が置かれているとしても、撮るという行為は、それを引いて客観的に見る、という気持ちにさせてくれるものでもあるとは思いますが・・・

・・・それが、ネットという存在によって・・・その根底にある意識が変わってしまうように思えるのです。

誰でも簡単に世界に公開できるという動画サイトという後押しがあると「これはウケる」と思い、事件性が大きいほど「これは注目されるぞ」という意志が働くこともあるように思います。

例えば、マスコミに「売れる・金になる」という面すらあると思います。

おそらく持っていない人の方が少ないであろうケータイ&スマホという物が、誰でも簡単に使えるカメラとなり、またビデオカメラともなり、いつでもどこでも映像の記録を撮ることができ、即、ネットで公開できる。

ウチの子供たちを見ていても、ちょっとしたものを何でも撮っています。
身の回りの何でも、気になった物、良いもの、可愛い物、何でも撮っています。

これまで、フィルムの時代は「写真に撮る」ということは結構ハードルが高いものでした。
それが、写ルンですが出て、お気楽に撮れるものになって、やがてデジカメになって、誰でもきれいに撮れる、という時代になりました。

それが、ケータイ・スマホになって、全くハードルというものが無くなってしまったように思います。
それで、何でも自分のアイテムで撮ってメモリーに入れておく、ということが可能になりました。

それは、プリントすら必要ないもので、ケータイ・スマホのメモリーが、そのまま自分の記憶と同じ。とても個人的な自分の記憶のバックアップのような物です。
「自分のために撮っておく」というもので、きわめてパーソナルなものです。

写真とは、表現の手段であって、撮る理由と、必然性があり、作品となるときには、そこにメッセージが込められるものである、と思って撮っている私らから見れば、撮る理由すら無いが如し、であります。

その極々プライベートな撮るという行為に、本来カメラマンが持つべきマナーというものなど存在しません。


自分が発信する、ということが、誰でも作れるブログや、FacebookやTwitterによって、簡単にできるようになりました。

この「ネットで発信」ということが現代の魔物になるのかも知れません。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
昔、フィルムカメラ全盛の時代に、交通事故現場に居合わせました、、、

で、ニコンF100が手元にあり撮影記録したい感情が湧いてきて、カメラを構えましたが、、、
撮れません、、、重傷者を必死で救出するレスキュウ隊員の姿に感動しましたが、、、新聞記者で無い自分が何故撮るのか、撮る権利はあるのか、撮ってどうするのか、新聞社主催のコンテスト「私の報道写真」に応募するのか、等と考えてしまい止めました。

結局四名死亡と報道された大きな事故でした、誰もが気楽に安易に写真を撮れる時代において、トラブルを生む原因になる場合も出て来るということですね。
007
2013/03/16 03:30
この事件、誰が犯人であるのか一読しただけで分かりました?
自分は三回読んでからようやく
「撮った人が犯人ね!」
と分かりました。
そうしたら、山本勉先生が
「撮った人が犯人なんですよね?」
とツイートしていて噴きました。
つる
2013/03/17 19:51
そういえば、ネットのニュースを見ると、この文章じゃ犯人がわからん、というのがあって、3つくらい見て分かった次第。

007さんが仰るような「迷い」無く撮って軽い気持ちで公開してしまうのですねぇ。
写真家の端くれとしては、みな写真を撮る時に、コンテストに出したり、写真展をやったり、何のために撮るか?ということを考えると・・・
どう撮るか? 失礼はないか?とか、考えるものですし、そういうことも含めて「作品」ということを考えるものでしょう。
そういう訓練も何もない、写真というものの「重さ」も知らない、という人が気軽に撮れちゃうという問題ですねぇ・・・
三日ボーズ
2013/03/17 21:45
午前4時半ごろ、横浜市港南区で、居酒屋から出てきた2人の男性が軽乗用車に乗っていた 男性と口論となり、その様子を通りかかった30歳くらいの男が携帯電話で写真を撮ったところ、 今度は2人の男性と、この男が口論となりました。
その後、男は2人の男性に殴る蹴るなどの暴行を加えたうえ、財布を奪って逃走しました。 2人の男性は病院に運ばれましたが、横浜市の無職・前田勝成さん(25)が死亡しました。

・・・どっかのニュースサイトにあった文。これで事件を把握しろってほうが無理!

やはり、どっかのサイトに実に端的な説明がありました。↓

早朝に居酒屋から出てきた友人A&B

軽乗用車に乗っていた男性Cと口論

通りかかった30歳ぐらいの男Dが口論中のA、B、Cを写メる

AとB、写メったDにキレる

DがAとBを返り討ちにしてボコボコに。ついでに財布を盗む

A死亡。D逃走中

三日ボーズ
2013/03/17 23:06

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