雅楽と声明

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27日夕刻、京都駅近くの正光寺という、浄土真宗のお寺で、今年で14回目になる「聲明の夕べ」という会に行ってきました。
例によって、日帰りのとんぼ返りです。

主催は「西六条魚山会」。
「西六条」というのは、浄土真宗本願寺派の本山「西本願寺」のある地名ということでしょう。

「魚山(ぎょざん)」というのは、京都・大原・三千院あたりのお寺の山号で、もともとは中国の地名で、中国の声明の発祥の地のような所で、慈覚大師円仁によって、中国から声明が伝えられたとき、大原が声明の道場とされたことから、日本では声明の聖地、のようなところで「魚山」というのが、我が真言でも、声明の代名詞のようになっております。

この法会は、昨年初めて聴聞して、非常に感激したものであります。
雅楽と声明を合わせるという、我が方には無い文化でありまして、ただただ感心するばかり。

今回は、前回に続いて「修正大導師作法」というもの。
我が方で「導師作法」とかいうと、導師が修する密教的な修法だけをさすのですが、この場合、この法会をさすのでしょうか?

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「三十二相」という声明曲が唱えられます。
「三十二相」というのは、如来の32のすぐれた身体的特徴、というもの。

『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』に次のようにある。

声明 (しょうみょう) の曲名。仏の「三十二相」を七言三十六句 (または四十句) の韻文体にし,旋律を付したもので,各宗派により旋律は異なる。天台声明では等拍のリズムをもつ定曲で,本曲は雅楽の『散吟打救楽 (さんぎんちょうきゅうらく) 』と,急曲は『伽陵頻急 (かりょうびんきゅう) 』とおのおの合奏される。真言宗や南都諸宗では修正会や修二会の際に唱える。

・・・ホンマけ?
真言でも唱えていた?! ・・・知らんかった・・・。ホント?

もっとも、真言の声明の方が、雅楽には合うとおもう。
天台のなめらかな曲線のような声明がもとにあって、真言でそれを「カク、カクッ」っとしたハッキリした(楽器的な)節にしたのではないか?と思っております。
南都、というか、関西方面には昔から今に至るまで、「楽」を付ける法会が多くあるわけですが、真言においては、雅楽は「付け足し」のような感じで用い、「合わせて唱える」という文化はありません。

高野山では、お大師様の禅定の妨げになってはイカン、と言って、奥の院では大きな音が出る楽器を用いないという伝があります。

おそらく、音楽ができない阿闍梨さんとかが、勝手に言い出したんだと思います。
阿闍梨さんが楽器を使わなくなって、真言声明の理論が消えてゆき、我が方では、完全に消滅しました。

・・・というくらいですから、「雅楽と合わせる」というような芸当は、とってもとても出来ないのでありまする。

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声が先に出て、後から楽が出る曲など、声を出す方に絶対音感が必要で大変だと思います。
また、「次第読み」だったか・・・
始め、一人で一句(一行)唱えたあと、そのボーサンがに二句目に入ると同時に、他の全員が一句目から唱えて、輪唱のように進む曲など、かなり難しそうだ。
オレにはできない!

雅楽と同じ音なので、平均律と違って、大体何でも強引に和音になるハズでありますが、洋学的な、例えば同じコード内の音、という構成ではないし、ほとんどが連続しつつ、波のようになめらかに音が変わるので、きれいな和音とはならず、そういう音を、大勢とひとりが、それぞれ出し続けるというのは、自分が唱えるとすると、まったくイメージできない。

何が難しいかというと、大勢とひとりが、同時に起き継ぎした時、ほとんど違う音を出すことになる。
これが、出来ない。絶対できない。

お経を読むようになって、「他の人と合わせる」ということに主力を注いできたようなものだ。
「皆が同じ音を出す」という、声明・御詠歌の基本。
いわゆるユニゾンで出すことで、声に力がこもり、力が増す、ということ。
これが、賛美歌のようにハモると、これが広がってしまう。

金剛流御詠歌講とか、近年、我が方でも「御詠歌をハモらせる」ということをやってるが、無用のことだと思っている。
御詠歌を賛美歌にしてどうする?!・・・と思う。愚行である。

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おそらく、普段は唱えない声明曲を、再現して、勉強して唱えている。・・・その緊張感も伝わってくる。
いや、お経だから、聞く者が緊張してはイカンのだけれど、研究のようなことをしているワタシが聴くと・・・と思っていただきたい。

真摯に、至心に唱えている、ということが伝わってくる。
失礼ながら、小さな本堂の中、というのが、またイイのだ。
このキャパシティが良い。

お客さんが、自由過ぎて、スマホで写真を撮ったり、動画を撮ったり・・・で、ウルサイけれど・・・
それがあってもいいと思えるくらい、お唱えが素晴らしい。

浄土真宗というと、声明を軽く見ているという印象があって、こっちも軽く見ていたりするけれど、こうやって、元祖たる天台・魚山の声明を研鑽し、また、廃絶した曲を再現したりということをされていたり、・・・という方もいらっしゃることが、嬉しい。

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