御懺法講(おせんぼうこう)

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『御懺法講(おせんぼうこう)』の聴聞で、京都・大原・三千院へ。

御懺法講は今から約860年前の保元二年(1157)に、後白河天皇が宮中の仁寿殿に於いて「宮中御懺法講」として始められたものだという。

「御」を取って「懺法講」。「講」は「集まり」というような意味でいいかと。
なので「懺法」ということになる。
「懺」は、懺悔(さんげ)。
諸悪の行いを懺悔して、「むさぼり・怒り・愚痴」の三毒を取り除き、心を鎮め、清らかにするという法要ということ。

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この法会は、招待者でないと入れないとのこと。
念願叶っての聴聞でございました。

「一緒に名前書いときますよ」という有り難いお言葉を、昨年、ある方よりいただいておりましたが、なんとか、我が拙い人脈を頼って、結構大きな方のご縁で、ご招待いただきました。
人との縁を感じます。

この法要の特徴は「楽」が入る、ということ。「楽」とは「雅楽」。
そして、三種の法要がある、ということ。
「声明懺法:呂用」「声明懺法:律用」と、本日の「声明例時」。
「呂・律」は音階の種類。この二種がキッチリ唱え分けられているとは思えないが、実際節回し的な違いだとも聞いた記憶がある。
これは、まだ聞いていないので分からない。

雅楽と合わせるところは、雅楽が伴奏のように入っていて、良い物だと思う。
阿弥陀経のリズミカルな読み方は、我々の「唱礼」に通じる物があるし、また、真如堂の「引声(いんぜい)阿弥陀経」と聴き比べてみたいものだ、とも思う。

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「この法儀は、自分のためだけではなく、特に平安中期以降は無くなった亡霊成仏や追善供養のために広く行われるようになった」と、いただいた、説明書きにあった。
この「追善」と「弔い」の観念との結びつきも、よく考える必要があるだろう。

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本日は、終日雨。

始める前の三千院・控え室には沢山の人が集まっていて、「これじゃあ、宸殿には入りきれないだろうと」思っていたら、大きくテントが増設されていた。
いつもなら鳥の声と、庭園の水の音がするのが、テントに落ちる雨の音になってしまったのは残念。

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終わって、山内・実光院へ。

静かな庭園で、余韻に浸る。

かつての法要は長かった。
この御懺法講も、山主の法要を、一日中かけてすべて行うのが通例だったそうな。
応仁の乱の頃までは7日間続けられたそうである。

昔は、他にやることが無かった、と言ってしまえば身も蓋もないけれど、こういう行事にかける思いも、労力も段違いだったのだ。

この御懺法講も、2時間だった。
それでも省略があった。

ウチにも、大万堕落・・・いや、「大曼荼羅供」という4時間半に及ぶ法会があるけれど、余程のことが無いと行なわれない。

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実光院では、お抹茶とお茶菓子をいただきつつ、庭を愛でる。

明治維新が、国家神道を打ち立て、仏教と神道の分離を図る「神仏分離令」が「廃仏毀釈運動」となって、寺が壊された。
それにより、宮中で行われていた御懺法講などの仏教儀礼も廃止となった。
真言の「後七日御修法」もそうである。

その明治政府の意向で、儀式の簡略化も行われたのだ、と聞く。
法要の簡素化、が図られたと。

例えば、いくつか唱えていた「前讃・後讃」も、前讃は「四智梵語」、後讃は「不動讃」と、ここで決められたんだ、と聞いた。

以来、我々も、長い法要に慣れていない、という状況になってきた。

本来のやり方でやってみようよ、と思う。

ちなみに、三千院は「門跡寺院」という。
これはかつては「皇族・公家が住職を務める特定の寺院、あるいはその住職のこと」を言っていた。
なので、三千院の中には、天皇陵がある。そこだけ宮内庁の管轄になってる。

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讃岐で取れる石「サヌカイト」で作られた楽器。
古典的純正律にチューニングされている。いわゆる、雅楽の音階、ね。
だから、平均律の、どれもハモらないピアノとちがって、どれを叩いてもキレイにハモる。

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編鐘(へんしょう)、カリヨン、ですな。
実光院には、こういうのがあって嬉しい。

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調子笛。これで、音を確認したわけですな。

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天台の声明家・天納伝中師の碑。

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三千院の門前のお店で、遅いお昼。
たまには、こういう写真も・・。

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帰りのバスを途中で降りて、「しばきん」こと、芝金聲堂へ。
天台宗の経本専門店。

早速、御懺法講の経本を入手。




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