平家琵琶と六道講式

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2月16日、東京・紀尾井小ホールにて「声明と平家琵琶 六道輪廻の世界 諸行無常の響き」という催し。
主催は「当道音楽保存会」というところ。
また「令和元年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業」という長い名前も付いてる。
相反することを言ってる感じもするが、古い物を残し伝えることで、未来の芸術家を育てたい、というビジョンということ?

お馴染み、平家物語の冒頭(・・・だけ)を演じていただいて、始まり。

平家物語は、いつ書かれたものかは不明だが、その延慶本の本奥書、延慶2年(1309年)以前には成立していたものと考えられている。
また文中にしばしば『方丈記』からの引用が見られるから方丈記執筆の建暦2年(1212年)以後に成立したことは言えるようだ。
(Wiki先生参照)

それにしても、その「声」に驚く。
鍛えた声が良く響く。
坊さんの方も良いお声ではあるけれど、かなり違う。
我々は、もっと「発声」を学ぶ必要があると思った。

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その冒頭のあまりにも有名な一説は、私は、先代の林家三平さんの高座で覚えた。
「三平が古典の『源平盛衰記』を演る」・・・というので、ホールでの落語会に行った。
結局は・・「いつもの話」になってしまって、本題に入ることは無かった。
ちなみに、その舞台が当時大学生だった「こぶ平(→現・正蔵)のデビューだった。(^^)

祇園精舎、諸行無常、沙羅双樹・・・と、あたかも仏教説話のように始まる。
その中には、建礼門院(平 徳子 たいら の とくし/のりこ)の物語を集めて最終巻(灌頂巻)としているものもあり、そこには、壇ノ浦の戦いで生き残った建礼門院が、大原寂光院で庵を結び、平家一族の菩提を弔いながら余生を送っていた。
そこに後白河法皇が訪ね来て、建礼門院が自らの生涯を六道輪廻に例えて語るという話があるという。

「六道輪廻」特にその地獄の描写は、恵心僧都・源信さんが寛和元年(985年)に書かれた『往生要集』によって知れ渡ったと言っていいだろう。
この書物は、とにかく後世に大きな影響を残した。

「二十五三昧会(にじゅうござんまいえ)」というのは、現在も6月10日の源信さんの命日に比叡山・横川(よかわ)で厳修されている法会。
二十五三昧会は、986年(寛和2年)に比叡山内横川にあった首楞厳院で、25人の僧が結集して結成された念仏結社。
ここで読まれるのが『六道講式』というもの。
『往生要集』に書かれたものを元に作られた「講式」という法会のための文章。
今では定型化しているけれど、法要の冒頭にその趣旨を述べる「表白(ひょうびゃく)」は、元はその都度導師が書いた物らしい。
今も、僧侶の葬儀では、導師がその都度作成することになっている。
それが長くなって、やがて法要の中心に置かれるようになったのが「講式」というものなのだろう。

文章は漢語体だけれど、中国語やサンスクリット語の経典と違い、読んで、聴いて理解できるので、これ以降、多くの講式が作られた。
いわゆる「お経」はワカラナイけれど、表白や講式は聴いて分かるから、広まったのだろう。

2月15日に聴聞に行った興福寺で読んでいたのも「舎利講式」というものだった。誰の作かはワカラナイ。
真言では明恵上人が書かれた「四座講式」を読む。
高野山では毎年「四座」全てを読み、仁和寺では1年毎に1座づつ。
豊山派は冒頭の「涅槃講」だけ、智山派は最後の「舎利講」のみを読むようになった。

今回、改めて天台宗の講式を聴いて、そして平家琵琶と聴き比べて、双方が「極めて近い」という印象を持った。
節回しで、似たところがある。
真言の節とは違うが、豊山派の新井弘順先生の発声は、この平家琵琶の感じがする。

よし・・・私も勉強しよう〜〜〜っと。

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紀尾井ホールに向かう途中でこんなのを見つけた。
そういう由来があったのね、紀尾井町。

地名はこの地にかつてあった州徳川家中屋敷、張徳川家中屋敷、彦根伊家中屋敷に由来しており(それぞれ紀州家、尾張家、井伊家と呼ばれた)、各家の文字を1文字ずつとって町名とした。
・・・(Wiki先生)

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この記事へのコメント

タロウカジャ
2020年02月18日 01:20
いいお話です。有難うございます。
あれこれとカメラとレンズを迷う話もいいですが、やはりこちらの方がいいですね。
三日ボーズ
2020年02月18日 23:04
本業のことは・・・疲れるのでつ〜(^^;)