御詠歌のSPレコード

朝ドラで、若い女性がレコードを触るときに、盤面を鷲掴みにしているのを見て・・・
「だから平成生まれは・・」とか、役者さんや、もしかしたらスタッフもレコードの扱い方を知らないんじゃないか?
・・・というツイートが沢山あったようだ。
しかし、残念ながら、それは「LPレコード」の話し。
朝ドラはそれより「もっと前」の話しであります。
LPレコードを知ってるという「知ったか」も、残念でした〜、の・・・昔、むかしの大昔。
SPレコードは、盤面触っても平気なのでした〜。はい。
材質も、溝の大きさも、回転速度も違い、扱い方も違うのです。
むしろ、しっかり盤面を持った方が良いくらい。
重いし、落としたら、絶対割れるので。
薄い瀬戸物、という感じなのです。
ワタシとしては、テレビのようではなく、レコードの下を持って、上から袋をかぶせるようにしたい。
落とす危険性を無くすにはそうした方が良いと思う。

さて、その今聴いているワタシのSPレコードですが、それは、全部御詠歌のもの。
ヤフオクで手に入れたものです。

これが、我が流派「密厳流遍照講」の物。
当流は、昭和9年に出来た。
当初は、金剛流の方と、東寺大和流の方が師範として集められ、双方の唱え方を模して始まったようだ。
すぐにレコードが作られた。
レコードは11年だったか?

「真言宗總本山東寺奉詠讃佛歌 大和講總本部講中」とあり、きちんと「大和流御詠歌」とあるのが良い。
いま、録音禁止とか言ってるけれど、昔はレコード出してたんじゃん〜・・・ということ。
「真言宗總本山東寺」というのもいい。高野山と喧嘩別れみたいになって、東寺についたからね〜・・・ということか?
大和流は、メーカーを変えて、2〜3種類あるようだ。
フタミレコードは我が流派のと同じで、白ラベルは「委託制作盤」らしい。
「西の河原地蔵和讃」は流行歌のようで、色んな人のレコードがある。
ワタシの祖父も、これを書いたものがあり、愛唱してたのだろうと思う。
その思い高じて、自分で作曲したのが、我が流派の「地蔵和讃」。

この「子豊村山」・・・いや「山村豊子」という人が凄いのですよ。
レコード会社を股にかけて、色んな会社から御詠歌のレコードを出してる。
御詠歌ならこの人!・・・という感じだったのだろう。
当時は「専属契約」とかいうのも無かったのだろうし、とにかく「引っ張りだこ」の女性だったようだ。
「小唄」のレコードもあったよう。

これも山村豊子さん。
「黒谷和讃」というのは、法然上人の和讃なんだけど、これは「地蔵和讃」の節だ。
違う節のはずだけれど・・・どういうこっちゃ?!

「西国三十三カ所」の最後につくのが、これと高野山の御詠歌というのが多い。
歌うは「伊勢國常念寺住職」とある。
「スフィンクス・レコード」ってのが、ごめん、笑える。

これは、横書きが左からになってる。
それまでの右からの書き方は、戦前と思って良いのだろう。
左から書くのは昭和17年が境との説もあるが、混沌としていたようだ。
臨済宗妙心寺派の無相教会は、戦後なので、こうなっているのだろうと思われる。
流祖・岩田貞雲さんは、確かお寺の奥さんだったと思う。
金剛流か大和流の御詠歌を習っていて、それを宗派が取り入れた。
「流祖作曲」となっている曲は、大体が古い曲で、我が密厳流、高野山金剛流、大和流と共通の節がある。
流祖さまは、それを組み合わせるような形で、宗派の教義に則った歌詞に改めて曲を付けたよう。
私らが聴くと、古い曲のモザイクかパズルの様に聞こえる。

どのレコード会社も名前が面白い。
前の記事にコメントいただきましたが、特に気になるのが「テイチク・レコード」。
何せ・・・「帝国蓄音機商会」・・・だ。
おまけに、マークが「楠木正成」。・・・皇居前広場にあるヤツだ。
この会社の創立は昭和9年というが、この名前を戦後すぐにも使い続けられたというのが不思議。
「帝国蓄音機」を略して「帝畜」、それをローマナイズしちゃうというのは、もう、大胆不敵というか何というか・・・・
ところで、デジカメの画像を等倍に拡大してみよう。
これがSPの盤面だ。↓↓

これは、盤面がよろしくない。
当時の技術の差は歴然としている感じがする。
メーカーによる音の善し悪しが分かる。
デジカメの等倍拡大で、ここまで写ってるというのも凄いわね。
しかしながら、70年前後経って、当時の音を聴くことができるということが、素晴らしいことだと思う。
この記事へのコメント
昔の想いが復活しそうです、、、
ガンガンジャズを聴こうか、とか、、、
まずはスピーカーはJBLだろうし、、、
アンプはデノンかな?」なんて、、、
深みにハマると恐いし、、、。
(;^_^A。。。
さすがに新しいアンプとか、別売りのカートリッジやら、CDデッキとかは自腹ですが、元々あったアンプやプレーヤーとかは公費にしてもらっているからあれこれできております。
あくまで、研究目的なのと、良い条件で記録しておくことが、今の時代の次世代への指命とも思っておりますゆえ、です。
長いような、短いような、楽しいような、辛いような、、、
いずれにせよ、これからは好きなことして、無理せず頑張らないで楽しくやろうと思います、、、それにはオーデイオの復活もありかと、、、
まあ予算は厳しい状況ですが、かしこまって、対決するような聴き方はもうしない、出来ない、したくない、時間無い、そこまで興味ないと思います(^^♪
しかしながら、必要に迫られて小型のコンポを買ってみたら、その音の良さに驚いたものでした。
「音」そのものに入れ込むのではなく、音楽を気持ちよく聴くということを優先する、イージーリスニング的に使う機械は、人生を豊かにしてくれると思います。