葬儀のお値段・・・(その2)

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このイオンの広告。
一般公募のもので、実際に掲載されたものではないという可能性もあるが・・・
以前、広告デザインとか、CFとかに憧れていた時に応募しようと思ったことがある。
そうだとすると、これはこれのデザイナーが「自分ならこうする」という立案だった可能性がある。
もし、新聞に載っていたら、いくら何でも問題になろうから。

そうだとしても、これを考えた人と、これを選んだ人の「心」は問われると思う。

まあ、広告というような世界は、色んな物を広く扱うけれど、面白おかしくだったり、センセーショナルな形になればいいな、というような扱いだったりするのは、常。
伝統的な物でさえ、伝統などを鑑みずに「奇をてらう」ような扱いをする、そういうものだ。
心に深くしみこむような広告もあるが、多くの広告人は、ましてや、一発当ててやろうと思って登竜門に応募するようなのは「狙っている」のだろう。
広告人の頭としては、こういう扱いはあり得るものだ。

イオンからの広告だとしたら、正に「イオンは葬儀をこう考えています」という提示になる。
これhショッキングだが、マイナスイメージの方が多いと思うから、やはり、これは応募作と見たい。

さて、これを「時代」として受け取って良い物かどうか?

まあ、戒名も書かれていない位牌は、まだ「物」だから、どう扱ってもいいけれど、葬儀を象徴するモチーフとして使っているとすれば、やはり、葬儀をどう考えるか?という問題になる。

・・・と、書いている時に、イオンのコメントがでた。
思った通りだった。

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何度も書いているが、現在の葬儀に関するものを始め、文化の継承という点で、大きな問題となるのが、核家族である。
戦後の、いわゆるベビーブームの世代が70代後半から80代になって、人生を終える年代になってきた。
現在の葬儀社の増加も、この世代を当て込んだものだったのだが、まさか、規模が小さくなる、ということは予想できていなかったと思う。

この子供の世代が中年期を過ぎてきた。
孫の世代も20代半ば。

核家族の特徴は「宗教が無い」ということになると思う。
宗教は実家に置いてきた。
まだ、団塊の世代はか学生運動を通っているので、個人の自由と権利、ということにはうるさかったりする。
「個人」と「自由」だ。
体制的なものへの反発もあって、それが、古いもの・風習なども軽んじるという意識に向かったりする。

そういう人たちが結婚をし、家庭を作り、家を建てると、そこには、当然のように仏壇などは無い。
ご先祖様、という日本人が大切にしてきた思いも、無い。
家族の在り方も変わって、家のルール、というものも無くなる。
新しくお父さんとお母さんから始まる家には、家の文化が無い。
それぞれ夫婦が持ち寄った、自分たちの価値観をベースに家族が始まる。
土地と家に継続する文化が無くなる、ということになる。

それが、今や、孫の世代である。

文化は「絶対的価値観」というものを伴う。
極端に言えば「村の掟」のようなものだ。
家訓でもいい。

そういうものから離れて、自由に自分たちの生活を構築するのは気儘なものかも知れないが、そうやって「相対的価値観」で生きる。
言い方を変えると「自分勝手」ということでもある。

絶対的価値観・・・
つまり、ご先祖様を大切にする。
葬儀はきちんと決められたようにする。
供養もする。

・・・これは「しなければならない」というもの。これが絶対的価値観。
核家族というものは、これを忘れる生活をしている、ということだ。

宗教は文化。
しかも、家によって継承されるもの。

核家族の家のお父さんお母さんも、宗教が無い生活をする。
無いのだから、子供にそれが伝わる訳がない。

宗教観というものが無いから宗教がわからない。
これがオウム事件の下地になっている、と思う。

さて、イオンの広告だが、これは実に的を射ている、という面もある。
イオンが葬儀をする、ということは、まさにこういうことだった、と思う。

価格の明示、ショーバイとしての扱い、安さの提供、サービスの提供というもの。

考えた人は、例えば位牌をこのようにあつかうということが、反発を呼ぶものでもあり、センセーショナルかも知れないが、どちらかといえば、反感を買う方が大きいだろう、という考えには至らなかったようだ。
ただ奇をてらった扱いを考えた。

ベースにあるのは、若者の宗教観の欠如であるが、選んだ人はそこそこの年配だろう。
恐らくは、これを考えた人は団塊の孫の世代で、選んだ人は団塊の世代の子供の世代なのではないだろうか、と想像する。

絶対的宗教的価値観の欠如がこのような扱いをしてしまい、それのマイナスイメージの重さを想像しえなかった、ということだろう。



・・・続く・・・


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この記事へのコメント

007
2020年10月09日 03:34
仏具をこのように扱う事に嫌悪感です!
食材ではありませんから、。

この感覚が理解出来ません、、、
一人の素人(仏教関係の)として診ても・・・応募者も選者も異常ですね、。
三日ボーズ
2020年10月09日 07:44
逆に「皮肉なのではないか?」とも思っても見ました。
そうだとしたら、なかなか良いものだと思いますが、賞の性格から、それはないだろう、と。